プロジェクト概要
本研究領域では、領域代表者が提案・開発した無限小変位ガウス・ローブ関数展開法(GEM)を基礎に「有限量子多体系計算統一プラットフォーム」を構築し、それを用いて宇宙の物質形成・進化を基本粒子レベルから記述することを目指す。統一プラットフォームでは、GEMと他の計算手法を融合・統一することで粒子数3~100にわたる異種粒子を含む量子多体系の精密解を求めることを目標とする。これを用い、中性子星内部物質の解明、核の量子効果を取り入れた精密計算によって星間分子進化過程の解明に挑戦する。これらの課題は、J-PARC加速器等による実験、また超精密分子分光実験と協働して取組み、重粒子間相互作用の確定や計算精度の検証により計算の予言能力を高める。また、重元素核の実験とも協働して宇宙での重元素合成過程の解明を目指す。さらに、統一プラットフォームの社会貢献利用として理研の小型中性子源RANS開発を後押しする。